その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「明智君の幼なじみだそうだ。
ベトナムで知り合って、家族ぐるみで仲良くしてたんだよね?
彼女にはマイマイがやってた仕事をそのまま引き継いでもらうから、それを教えるのは、謙人?でよかったんだっけ?」
トオルはそう言いながら、ジャスティンを見た。
ジャスティンは隣に立つ謙人を見て、大きく頷いた。
「あとは、それぞれで自己紹介をすること。
今日は在宅の新人さんとかも出社してるから、ちょうど良かったね」
トオルはそう言って、ロビンの肩を優しくたたいた。
ロビンはこの職場は、ある意味、パラダイスだと思った。
完璧なエリートの人間は、全てにおいて寛容だと知っている。
特にここにいる人達はその中でもレベルが高い人達で、そんな彼らはお金も仕事も心も全ての要素で余裕で満ち溢れている。
すると、謙人がロビンに声をかけた。
「初めまして、ロビンちゃん。
俺が君の教育係に任命された、前田謙人です。
教育係とか一番向いてない人間だと思うけど、でも、ロビンちゃんなら喜んで引き受けるよ。
ちょっと、明智君の視線が怖いけどね」
ロビンは謙人のカッコよさについつい見惚れてしまった。
見た目は全てが整った美男子なのに、口角が上がっているせいでいつも笑ってるように見える。
更に、ベビーフェイス的な魅力の上に、声のトーンが低く、そのアンバランスさが妙にセクシーだった。