その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「よ、よろしくお願いします!」
ロビンは自分の声が裏返るのが分かった。
恥ずかしくて、顔が赤くなる。
「じゃ、基本的なところから始めようか?
EOCはとは何なんだ?ってところからね」
謙人の優しい瞳にロビンは何だかホッとした。
最近は、仕事上、自分が上に立つ事が多かったせいで、こういう風に大切にされる事に慣れていない。
だからこそ、頑張る気力が湧いてくる。
学びたい気持ちが人一倍強い私だから。
健太郎は奥のミーティングルームに消えていくロビンと謙人をずっと見ていた。
ロビンの教育係は自分がなるものだと思っていた分、ショックが大き過ぎる。
それも、よりにもよって、唯一の独身男性で女の子なら百発百中落とせると豪語している謙人だなんて…
健太郎は中々自分のブースへ行く気になれなかった。
何度もコーヒーをおかわりして、窓際の椅子に座って外を見ている。
「心配か?」
そう声をかけてきたのは、トオルだった。
「いや、別に…
彼女は頭のいい子なので」
トオルは涼しい顔をして、健太郎の隣に座った。