その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


健太郎は胸騒ぎがした。
あの日、ロビンが居なくなってから今日まで、ロビンの事を忘れた事はない。
一日だって。


「ロビンのママが病気になっちゃってね…
ロビンは働きに外国へ行った。
綺麗な子だったから、色々な所から声がかかってるって、ロビンのママが泣きながら言ってた。

ロビンはママのためにお金を稼ぐって、そう言って…
どこに行ったのかは、お母さんだって知らない。

どうかまともな所であってほしいって、そう願う事しかできないけど」



その後、健太郎はイギリスにある中高一貫の寄宿学校へ進んだ。
世界各地に友達ができ、その中でもいつも成績は上位だった。

健太郎は目標を立てた。
できるだけ早くロビンを見つけ出すと。
絶対に幸せじゃないと分かっていたから。

だって、ロビンのママはロビンが居なくなった次の年の夏に亡くなってしまった。
その事をロビンが知っているかも分からない。

俺達のあの家を出て行ったあの日からロビンは行方不明で、今ではロビンの事を思い出す人だっていなかった。



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