その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
実は、今日の遅刻には理由があった。
ロビンの住所が分かった時点で、健太郎は車を走らせてその場所まで行ってきた。
その住居は六本木にある有名なマンションだった。
今流行りの高層マンションではなく、五階建ての一握りの富裕層が好む緑に囲まれた高級マンション。
そういう建物が六本木の一等地にある。
健太郎は車の中でタブレットを開き、もう一度ロビンのデータを見てみる。
結婚はしていない。
子供もいない。
そこに映し出される今現在のロビンの画像に、何度見ても釘付けになる。
何も変わってない。
俺が好きだった頃のロビンのまま。
健太郎はタブレットを閉じた。
ロビンを救い出す事が、ロビンのためになるのかなんてさっぱり分からない。
でも、今はロビンの気持ちなんてどうでもいい。
俺自身がロビンを求めている。
それ以上の理由なんて全く必要ない。
ロビンが忽然と消えたあの日から、ロビンを探し出す事だけを考えてきた。
初恋に似たぼんやりとした気持ちのままで。