その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


「でも、明智君って本当に面白いな。
今までの明智君のキャラが行方不明になったみたいだ。
それくらい、君の存在はすごいって事。
俺もヤバイかもしれないよ。
明智君より、ロビンに惚れちゃうかも」


ロビンは謙人の言葉に真実はないと思っている。
私を指名してくれる人は必ず思わせぶりな事を言う。
謙人もきっとその人達と同じだと、ロビンはいい意味で安心していた。

謙人との食事は本当に楽しかった。
そして、家の近くまで車で送ってくれた。
いや、私の家ではなく、健太郎の家が正しいのだけれど。



健太郎はつい自分のマンションへ車を走らせていた。
着替えや細々とした生活用品を取りに帰るため。
そんな風に何度も自分に言い聞かせた。
ただ、荷物を取りに行くだけだ。
ロビンに会いたいわけじゃないと…

健太郎はあえてロビンに連絡はしていない。
謙人と一緒にいるのは分かっている事で、謙人からしたら笑いの種にしかならないから。

でも、自分のこの衝動を抑えられない理由は、その謙人にあった。
本当の気持ちは、謙人とロビンがいる場所に行ってロビンを連れて帰りたい。
謙人にだけは近づけたくない。
これほど僕は自分に自信がないのか?と何度も自問自答したけれど、暴れる感情を上手にコントロールできなかった。

冷静沈着な明智健太郎は、ロビンが関わればただの獣に成り下がる。
悔しいけれど…


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