その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


「僕は気が狂いそうになってた…
ロビンが謙人さんと仲良く話してるだけなのに、僕の心は絶望感でいっぱいだった。
ロビンが謙人さんを好きになってしまったら?って。
そんな事ばかり考えて、ずっと吐きそうだった」


「吐きそうだった?」


ロビンは健太郎の胸から顔を上げて、健太郎を優しく見つめる。
そして、子供の頃のように、健太郎の前髪をそっと撫でた。


「気分が悪かったの?」


健太郎は可笑しくなってクスッと笑った。
ロビンはいつもこうやって、子供の時も健太郎の体調ばかりを心配してたから。


「もし、本当に気分が悪かったら…?
あの時みたいに僕にキスしてくれる?」


ロビンはもう一度、健太郎の前髪を優しく触る。
遠い昔の思い出に目を細めながら。


「あの時のケンは熱が高くてすごく苦しそうで、だから、何でもしてあげたいって思ったの。
何かほしいものがある?って聞いたら」


「ロビンのキスがほしいって、言ったんだよね」


ロビンはクスクス笑っている。
きっと、僕の子どもの頃の間抜け顔を思い出しているのだろう。


「僕は熱にうなされてたから何も余計な事は考えられなくて、本当にほしいものを答えただけだよ。
その時はまだ10歳か11歳かだったけど、そう思ったんだからしょうがないじゃないか」



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