その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
健太郎はロビンの前では子供の頃に戻ってしまう。
大好きなロビン…
お姉さんであって、親友であって、僕の初恋の人。
僕は、ロビンの前では、いつも素直で正直でいれる。
居心地も最高によくて、ロビンにずっと寄り添っていたい。
「だから、キスしたでしょ」
「おでこにね」
健太郎は口を尖らせてそう言った。
そんな健太郎を見て、ロビンは楽しそうに笑う。
「僕がおでこは嫌だって言ったら、ロビンはこう言ったの覚えてる?」
ロビンはポカンとした顔をする。
絶対に覚えてるくせに。
「ケンが元気になったら、その時にちゃんとしたキスをしてあげるって」
ロビンは急に切なそうに目を閉じた。
その思い出にどんな想いが含まれているのか、健太郎は何も知らない。
「でも…
キスがないまま、ロビンは居なくなった…」
ロビンは目を閉じたまま、また健太郎の肩に寄りかかった。
あの時、一体何があったのか?
幼い頃の僕も、今の僕も、本当は知りたくてしょうがないけど。
「ロビン…
僕はあの約束を忘れてない…
いつになったらキスをしてくれるの?」
さっきまで泣きそうな顔をしていたロビンは、もう笑っている。
僕の事が可愛くてたまらないような、そんな風に微笑んで。