その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党



ケンの言葉はロビンの心の中に浸み込んでいく。
そして、そんなケンの甘える仕草と言葉に、ロビンは全てを許してしまう。
ケンの癒しは確実にロビンに根付いてしまっていた。


タクシーは健太郎のマンションの前に着いた。
健太郎は当たり前のようにロビンと一緒に自分のマンションへ帰る。
玄関ドアの鍵を開けて二人とも中に入った途端、健太郎はロビンを後ろから抱きしめた。
ロビンは驚いて前を向き、そして健太郎の顔を覗き込む。


「ケン、どうしたの?」


健太郎のいつもとは違う力強さに、ロビンは優しくそう問いかけた。


「ロビン…
僕を許してくれる?」


家に帰って二人きりになると、健太郎の張りつめた糸は一気に緩んでしまう。
ロビンに甘えたくてたまらない僕がここにいる。


「どうしようかな」


ロビンは面白がっている。
そして、笑っている瞳は、もう健太郎を許しているのが分かる。
健太郎はそんなロビンにキスをした。


「ケン…
もう、これから、私に嘘はつかないで。
嘘は嫌い…
嫌いっていうより、怖いの…
嘘だらけの世界を知っているから」


でも、健太郎は素直に頷けなかった。
そして、ロビンを廊下の壁まで追い詰めて、もう一度キスをする。
今度は軽めの意地悪なキスを。


「ロビン…
加賀谷君って誰…?」


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