【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
兎にも角にも、剣崎という男には絶対に出くわしてはならないってことだ。
……肝に銘じておこう。
「白坂くん、この先大丈夫かな……」
「凪が心配か?」
「き……危険な目にあってほしくないから」
正直に私が答えると、鷹村くんがジッと私を見つめた。
「っ、な、な……なんでしょうか!?」
「いや? ただ、アイツはあんたが知らないだけで、相当水瀬に惚れてるから」
私が知らないだけ……。
「もうずっと前からな? だから、今は追われる身の危ない奴かもしんねぇけど、凪のことを頼む」
そう言って、鷹村くんはもうひとりの逃亡者である澪ちゃんを迎えに行ったのだった。