【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
* * *
帰り道。
家まで数メートルの十字路で白坂くんと別れた。
私が家に入るまで見届けるって言ってくれたんだけど、家の前にはお母さんとお料理好きの桜子さんが立ち話していたからお断りしたのだ。
だってお母さんに見られたら絶対食いついてくるもん!
お母さんと桜子さんが家の中に入ったのを確認して、私も歩き出した。
……と、その時。
住宅街にコツコツと靴音が響き、それは徐々に近づいてくる。
「──水瀬小夏さん?」
ピタリと止まった足音と同時に、不意に背後から声をかけられた。
「はい………っ、!?」
振り返れば、ひとりの女の人が立っていた。