【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
【絶影】路地裏の追跡者
───今日は7月最初の日曜日。
中間テストも無事に終わり少しだけ解放的。
白坂くんが教えてくれたおかげで、恐れていた赤点は回避出来た。
そして今日……私は、白坂くんの家に招待されている。
なぜそうなったかと言うと──
「俺にご褒美とかないの?」と、勉強を教えた見返りを要求されたのだ……。
テストの点が上々だったのも間違いなく白坂くんのおかげだから、試しに何がいいのって聞いてみた。
すると、「水瀬がいつも食べてるやつ一緒に食べたい」と、笑顔で白坂くんが申してきたので了承した……。
ちょうど、「いっつもたくさん作りすぎちゃうのよ~」と、桜子さんからのおすそ分けを頂いたところだったから。
お弁当箱につめたメニューは桜子さんイチオシのネギだれソースの油淋鶏。
今日だけだからね!と念を押して行くことになった私は、ランチバッグを手に玄関を出た。
忍び寄る影が迫ってるとも知らずに──。