【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
待ち合わせの時間まであと10分。
少しスピードを上げて足を進めたその直後。
「小夏?」
ゲッ……!!
コンビニ袋を手にした涼太とばったり出くわした。
「どっか出かけんのか?」
「ああ……うん……ちょっとね」
濁してみたものの、涼太が私の服にチラリと目をやった。
「……白坂か? お前がスカート履くのなんて、滅多にねぇし」
「……そうだけど」
さすが腐れ縁だ。
今私が着ている白いワンピースはお母さんが買ってくれた物だけど、この日、初めて袖を通したのだ。
白坂くんと会うから、なんてことは言えないけれど。
「つーかお前、今桜子さんの家から出てこなかったか?」
「おすそ分けしてくれた保存容器返しに行ってきたの。最近よくくれるから。それが……何?」
てっきりまた女らしくないとか言われるかと思った。