【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「いや……別に」
「ふ、ふぅん……じゃあ、私急いでるから」
涼太の横を通り過ぎると同時、パシッと腕を掴まれた。
「ダメ。やっぱ行くな」
「なっ……!? なんでっ!」
「頼むからもう白坂には関わるな! 今からでも遅くねぇ!」
説得するように訴える涼太は気迫に満ちていた。
「危ないことはわかってるよ……それでも、私は知りたいんだもん。白坂くんのこと、もっと知りたいから……っ」
自分の気持ちが動いている。
そう思うことは今までにないことで、この感情の名前さえ私はずっと知らなかった。
……けど、今それに気づき始めている。
「小夏……」
「っ、涼太こそ、何を隠してるの? 私に隠し事なんて今までなかったでしょ……?」
この前だって、廊下で何を伝えようとしてたの?
……最近の涼太はどこか様子が変。