【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


「……っ、別にどうもなってないわよ!」


「でも、鷹村くんって、澪ちゃんに惚れてるよね……!?」


教室で話していた時、本人がそう言っていたんだから間違いない。



「なっ……パン屋の常連と店員ってだけよ! 中学の頃から、弟を連れて買いに行ってたから」


「そうだったんだ──って、澪ちゃん弟いたの!?」



これは初耳だ。

澪ちゃんの情報はほぼ非公開に近い。


もっと情報がほしいのに、わかってるのはこの美貌と、遠慮なしで意見を言ってくるところくらい。


それはそれで私のことを心配してくれてるからこそなんだってわかってるけどさ!



「そ、そうよ! 来年小学生になるのよね」

「園田によく似た可愛い弟だよな?」

「……っ!? 」



お弁当を食べるため、頂上を目指して再び歩き出そうとしたら、後ろからあの方の声が飛んできたのでビックリした。

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