【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「高校もめんどくせえって思ってたんだが、入学してみれば園田がいて、毎日ちゃんと出席してるのも、好きな女の顔が見れるからだ」
「は、はぁ!? なんなのその歯の浮くようなセリフは……っ! それ以上変な発言したら、ぶっ飛ばすわよ!?」
「そりゃあいいな。好きな女に尻に敷かれるのも悪くない」
「………わたしはぶっ飛ばすって言ったの! あぁ、もう! バカっ! とにかくわたしのことは口外しないでよ!」
プライバシーの侵害よ!と、恥ずかしさも限界なのか、澪ちゃんは鷹村くんの背中をぐいぐい押しながら先へ進んでいった。
「雅の奴、ベタ惚れだろ」
取り残された私の隣で、白坂くんがぷっと吹き出した。
「………た、確かにそんな感じするよね」
鷹村くんは意外と素直なんだろうな。
大変失礼だとは思うけど、鷹村くんの口からは危険なワードしか出てこないと思っていたから。
「でも俺ほどじゃないけどね?」
「……っ、」
黒くない白坂くんもあなどれないんだった。