【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
そんなことを言ってのける白坂くんに、私は唇を引き結んで黙り込んでしまう。
「あれ、伝わってない?」
「しっかり伝わってます……っ」
「それはよかった」
当初に比べれば、こうやって目が合うと違った意味でドキドキする。
「水瀬は夏休み予定あんの?」
私と白坂くんも水分補給をしてから再び頂上を目指して歩き出した。
「んー、澪ちゃんと遊びたいなって思うけど、毎回振られっぱなしなの!」
未だに澪ちゃんは寄り道しない主義なのだ。
「ふーん。それなら安心。あえて俺から縛る必要なさそう」
「へ? 縛る……!?」
「出来るだけ家にいてほしいからね?」
「あ、そっか。そ……それはやっぱり、あの人達が追ってくるから……?」
夏休みに入ったって油断は禁物だ。
どこから現れるかわからない。