【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
【暗黒】三日月の男
──宿泊学習から帰ってきて、すぐに夏休みを迎えた。
だけど思い出すのはあの夜話した涼太のことと……そして、白坂くんのことだ。
宿泊の夜、涼太と話し終えて部屋へ引き返していると、白坂くんが私を探しにきたのだ。
「髪濡らしたままどこ行ってたんだよ」と、ちょっと不機嫌そうな瞳をしていた。
「涼太と……話してて」
素直に答えると、白坂くんはやっぱり溜め息をついて、私の手を奪った。
「えっ!? 白坂くん……!?」
強引に私の手を引っ張って走り出した。
「俺の気が済まないみたい」
そう言って、慌ただしく私を部屋の中に連れていった。
パタン……とドアが閉められてハッとした。
「……ま、待って白坂くん? ここ、白坂くんと鷹村くんの部屋じゃ……」
「そうだよ?」
そうだよ、じゃないでしょ……っ!?