【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


「……お前、髪も濡れたままにしやがって」


眉根を寄せた白坂くんが、水分を含んだ私の髪にくしゅくしゅと指を絡める。


ダメだとか言ったくせに、白坂くんの柔らかい前髪が近づいて、心臓は素直に反応する。



「………風邪なら引かないよ」

「は? そんなこと言ってない」


私を見下ろす白坂くんが曖昧に笑った。

怒ってるような白坂くんの表情がやけに色っぽく見えて、私は静かに息をのんだ。



「濡れてる髪ってなんかエロい」

「……変なこと言わないでよっ」

「俺以外に見せるとはな?」



拗ねたような顔で覗き込まれると、私は押し黙るしかなかった。



「そろそろ手ぇ出したい」

「……っ!?」

「出さないとは言ってないよね?」


鼻先を近づけて挑戦的に囁かれる。

体温が瞬く間に上昇した。

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