【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


「それより小夏、柳くんと絶交したんだって? 熟年離婚だの何だって、男子がふざけて言ってたよ?」



まだ結婚歴もないのに熟年離婚って言葉をこの歳で聞くとは、なんて悲しい現実なんだろう。



「腐れ縁のふたりが毎日一緒に登校してたのに、今日は別々だったって」


「実は昨日、涼太とは正式に離婚……じゃなくて、事実上の絶交ってことになりまして……」



私は涼太とのこと、そして白坂くんが現れた昨日の出来事を澪ちゃんに全て報告する。



「え? 白坂が小夏をもらうって?」


「も、もちろん本気じゃないと思うけどさ」


「それ……なーんか危ない匂いがするから気をつけなさいよ? せめて、わたしが白坂について思い出すまでは!」


「わ、わかった……」


「あと小夏は可愛いのに自分の女子力を自分で下げてるとこあるから、これを機に女を磨きなさい?」



涼太に女らしくないとまで言われたし……。


美人な澪ちゃんが言うと説得力が尋常ではない。

可愛いなんて言葉は何年振りに聞いたんだろ。
< 23 / 367 >

この作品をシェア

pagetop