【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
……と、そこへ。
噂の渦中にいる白坂くんが眠そうな目をこすりながら、教室内へと入ってきた。
早速駆け寄る女子達に「んー」とか「へぇ」とか棒読みで答えている。
……あ、また目が合ってしまった。
「あれから涼太くんには何も言われてない?」
席にカバンを置きながら白坂くんが尋ねてきた。
「……うん。私は平気。正式に絶交って感じだし。それより白坂くんこそ……大丈夫?」
白坂くんがキョトンとした顔でこちらを見ている。
「噂、聞いて……」
真っ先に白坂くんの口もとに目がいってしまったけど、この度はどこも怪我はしていないようだ。
「それ、心配してくれてんの?」
「そりゃ、心配だよ……白坂くんは、クラスメイトだし。それに暴走族って聞いたから……危ないんじゃないかなって……」