【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「……ふふっ。白坂くんって、いつもお腹空いてるよね?」
そう?と、おどけてみせる白坂くんに自然と笑みが零れる。
「水瀬は何がいい?」
「んー、これだけ屋台があると迷っちゃうよね」
どれもこれも美味しそうだし、お祭りで食べる屋台の食べ物は格別だもんね。
「したいこととかあったらいいなよ? 水瀬は何でも遠慮しそうだから」
したいこと……と、私は繰り返した。
白坂くんと花火を見たいってこと以外は考えていなかったけど。
……でも、夏休みだ。
白坂くんの彼女仮も終わりに近づくこの夏休み、もっと近づきたいって思ってる。
……だから、
「手……繋ぎたい、です」
いきなり大胆なことを言ってしまった。