【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「なっ……っ、」
てか、しっかり聞こえてるじゃん……!
「……意地悪」
唇をすぼめる私は顔が真っ赤になっていた思う。
それなのに、白坂くんはお構い無しに私の顔を覗き込んだ。
「お前、可愛いもたいがいにしろよ」
私の顎に手を滑らせて、キスするくらい近い距離で囁いた。
流れるような白坂くんの動作に釘付けになっていた私は、相当マヌケな顔をしていたかもしれない。
「水瀬、行こ?」
もう……。
意味もなく前髪を直して、顔だけで返事をした。
「あ、水瀬。わたあめ買ってあげよっか?」
「……それ、白坂くんが食べたいんじゃ?」
出店のそばにいる子供みたいに目を輝かせている白坂くんが可愛く見えた。
「半分こする?」
なんて言いながら、白坂くんは屋台のおじさんからわたあめを買うと、私に傾けてくる。