【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


「どういうこと……?」


弱々しく丸まった涼太を支えながら取り乱す私に、白坂くんは大きく息を吸ってから口を開いた。



「言ったろ。出逢えるはずだったって」



白坂くんが私に言っていたことだ。


私と白坂くんは、まるでどこかで出逢っていたみたいに。



「俺はね、一年前の今日、置き去りにされた水瀬を見つけた──」



──私だけが、白坂くんを知らない。

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