【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「柳、お前まさか……あの子を置いて逃げてきたのか?」
──嘘だろ?
「……ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい──」
相当怖かったんだろう。
壊れた機械のように謝り続ける柳涼太に、俺は舌を鳴らした。
……ふざけんなよ。
「散々独り占めしておいて、守るどころか置き去りにしただと……!?」
「……っ、」
「一丁前にヒーロー気取ってんじゃねえ! あの子は今どこにいる!?」
泣き崩れる柳を揺さぶった。
「小夏が……まだ、境内………に」
「……お前は救急車呼んどけ!」
──パシッ!!
駆け出そうとした俺の肩に強い力が加えられた。