【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「おい、凪。誰を助けたいのかは知らねえがやめろ。あの剣崎の息がかかると、お前が執拗以上に狙われるぞ……」
振り返った先には、真剣な表情をした雅が立っていた。
「悪いな雅……そん時は、腹括るよ」
その手を振り払うと、雅が目を見開いたのが見えたけど、迷うことなんかなかった。
自分が追われていた時よりも速く足を動かして、俺は神社へ走り出した。
「は? お前、もしかして白坂凪か?」
辿り着いたそこには、数人の男の笑い声が響いていた。
息をつく暇もなく男達に駆け寄る。
境内の木の下に、ぐったりしたキミが剣崎の腕の中で目を閉じていた。
「その子を解放しろ」
ゆっくりと顔を上げたのは、予想通り剣崎だった。