【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


「くるみね、同じ中学だったの。その頃からアレだったよ」


「アレ……とは?」


若宮さんの口から出てくる言葉を待つ私は、ゴクリと固唾を飲んだ。



「白坂凪といるとヤバいことに巻き込まれるって。これ、わりと有名な話」


「……」


「よく傷だらけだったし、頻繁にバイクに乗った男に追い回されてたから。くるみは、彼自体は、学校では真面目だったと思うけどねぇ」



……出た、“学校”では。



「今でも狙われてるのかもね? こわぁい」

「狙われてるって、誰に……」

「えー、くるみも詳しくはわかんないよぉ」



じゃあね、と潤った唇を輝かせて若宮さんは立ち去った。

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