【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


出会う前のことも、今までのことも。

ずっと見ていてくれたのに。

白坂くんは、私に気づかれないようにしてくれていたんでしょう?



──“お前だけは、守るよ”


自分を追っている剣崎は、一年前に私を襲った男だって知っていた。


涼太が逃げ出したあの夜、私を救ってくれた。


だから、この夜また剣崎が来るであろうことを想定して、私のそばにいてくれたの?



「凪ちゃんまだ喋る気かよ。もう飽きたっつぅの。こっちもそろそろ動いちゃうよ?」



立ち上がった剣崎に、私は固唾を飲んだ。



「……剣崎、お前が一年後の今日を見過ごすはずかないと踏んでいてよかったよ」


「あーあ。本当につまらない。瀕死のコイツと違って、凪は勘のいいガキだからなぁ」


「確かに。涼太くんじゃ頼りないからね」


剣崎が目の色を変えて白坂くんを見据える。

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