【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
剣崎は虚を突かれたように返答に詰まっていた。
「はぁ? やめろよ凪。そんなクソつまんねーこと言うなや」
白坂くんは私に視線を投げる。
とても温かくて優しい瞳だった。
「暴力は暴力しか生まない。こんなこと、好きな子に誇れることじゃないからね」
空に滲んだ星のように淡い笑みを浮かべた。
私はただただ目を奪われる。
「だから、もう終わりにしよう剣崎」
「はっ。なんだそれ。テメェみたいなガキ見てると本当腹が立つ。まっさらで、背負うもんもなくて……っ」
カッと目を見開いて、剣崎が怒りを爆発させた。
白坂くんを地面に押し倒し、馬乗りになる。
「……俺が憎いか、剣崎」
「憎くて仕方ないよ? 凪の綺麗な顔も心も、ぐちゃぐちゃにしてやりてぇもん」
「じゃあ好きなだけ殴れよ? それでお前の気が済むなら。その代わり……鬼ごっこはこれで終わりだ」