【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
なんか私、マズい話を聞いちゃった?
ああ……とても体育で馬跳びと体操なんか出来る気分じゃない。
澪ちゃんごめんね!と、心の中で謝りながら保健室へと身を寄せた。
「……失礼します」
独特な薬品の匂いが充満する保健室に入ったものの、どうやら先生は不在らしい。
「一緒にサボろ? いーでしょう?」
喜んで!じゃなくて……先客がいらっしゃる!?
一緒にって、どちら様と……?
窓際のベットのカーテンが閉まっている。
「ダメですよ。誰か来たっぽいし、先輩だってヤバいでしょ」
……脇役の私が入室しましたよっと。
カーテンの向こう側から聞こえたその声は、まさかのまさかで白坂くんでしょうか?
「平気だってばぁ。凪だって、サボりたいからここにいるんでしょ?」
「んーん。俺は考えごとで頭がいっぱいなの。それに俺言ったよね? 好きな子としか寝ないって」
「ふふ。凪のそういうとこ、好き」
「わかってくれるよね? 先輩は聞き分けがいいから」
そんな甘やかすような言い方で先輩を言いくるめようとするとは、こっちの主役も恐るべし……。