【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
覚悟なら最初からしていたと私は思う。
白坂くんといると、危ないことだらけ。
それでも、白坂くんを知りたかったから。
「可愛すぎて花火どころじゃない」
困ったみたいに笑うと、夜空を彩る花火の下で、白坂くんは私にそっとキスをした。
ギュッと抱きしめて、私を包む白坂くんにドキドキして、なのに涙が溢れてくる。
だって白坂くんが温かいから。
私を抱きしめるこの腕が、優しいから。
「好き……」
「は?」
「白坂くんが、好き……」
唇が離れた途端、想いが溢れて、自然と言葉になった。
私の心は白坂くんでいっぱいになる。
「……ズルいって。そんな可愛い顔されても、優しくしてやれないかもしれない」
ふいっと背けた白坂くんの横顔が、赤くなっている。