【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「どーしよぉ凪。こんなとこ見られちゃったから、その子に誤解されちゃうね?」
甘ったるい声を出して白坂くんの身体に手を這わせる。
「は? なにそれ。あんた、そろそろキツいって」
ボソッと呟いた白坂くんの声がいつもよりも低い。
それに、今放っている空気が黒い。
澪ちゃん命名、白坂くんってより、“黒坂”くんって感じがしてならない……。
「なーぎっ。そんな子ほっといて、わたしとお昼寝しよ?」
「いい加減はっきり言わなきゃわかんねぇか。あのね先輩? 俺、この子に誤解されたくねぇんだよ。だから今すぐ離れろ」
「……え、凪?」
「そもそも俺が構いたいの、その子だけだから」
パンツが見えそうな先輩のスカートに目もくれず、冷淡に言い放った白坂くんは、その人の腕を引っ張り上げた。
「……なっ、なにすんのよ!? 構いたいって、まさかその子を? 凪……本当に言ってるの?」
「本当。それにもし嘘だったら、今頃あんたと寝てるよ?」
「……っ、つまんな! ホントにあの白坂凪なの? はぁっ!もういい……!」
どいてよっ!と私の肩に突進をキメると、先輩は保健室を飛び出していった。
なんてパワーだ、肩が外れるかと思った!