【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
石段に座って、白坂くんと一緒に並んで夜空を見上げる。
「桜子さんに料理教えてもらおっかな……」
空を彩る花火を見上げて、私はポツリと呟いた。
「は? なんで? そんなことしたら小夏のこと独り占めにされ──」
「花嫁修業……です……。だから、教えてもらいたいなって、桜子さんに……」
白坂くんが突然黒くなるから、私は慌てて付け足した。
小夏だなんて、名前で呼ばれたことにもビックリしたせいか、身体がさらに熱くなる。
チラッと、隣に座る白坂くんを見る。
「不意打ちで可愛いこと言うな……」
「っ、」
「……本気で口塞ぐぞ」
とびきり甘い夏休みは、まだまだ続きそう。