【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「すごく甘い」
そっと唇を離した白坂くんは、そう言った。
私は、突然の事で頭が追いついてくれない。
何が起きたの?
「おーい? そんな顔してると、もう1回しちゃうよ?」
「ーーき、す......?」
瞬きすら出来なかった。
なぜか白坂くんに手首を掴まれている。
「そんなにお望みなら、もう1回」
そう言って、白坂くんは再び私にキスをした。
抵抗さえ出来ずに塞がれた唇が熱を帯びる。
──そしてその時、
………ん、なんか聞こえる?
「──小夏! いい加減起きなさい!あんた約束があるって言っていたでしょう!?」
へっ?
なんてバカデカい声なんだ!
一気に目が覚めて、重い瞼を開くと、二重アゴのお母さんのドアップな顔がある。
……なんて破壊力だ。