【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
* * *
──白坂くんの彼女になって数日。
夢のような悪夢のような夏祭りで負った怪我も回復したみたいで、まずは一安心していたのだけど……。
それもつかの間であった。
「小夏ーー? 早く出てきなさいよー!」
「待ってよ澪ちゃん……っ!! やっぱり私、こんなの自信ないから無理かもしれない!」
──シャーッ!
「ちょちょ!? 澪ちゃん!?」
簡易的なカーテンを開けられて、私は慌てて身体を隠した。
「隠すことないじゃないの! ほら、鷹村と白坂も待ってるんだから行くわよ!」
いやぁぁぁぁぁ!!
心の叫びなど届きもしない。
問答無用で私の手を引っ張る澪ちゃん。
今私達がいるのは北区で有名なジャンボ海水プールだ!
ぐるんぐるんの超スピードスライダーもある。
ここに来たのは、鷹村くんのご両親が商店街のお肉屋さんから、入場券を頂いたそうで……。