【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「し……白坂くん、いいの? あの先輩、すごい怒ってたよ?」
「勝手に来て、勝手に怒って帰っただけでしょ?」
めんどくさ、と。
白坂くんがはぁっと溜め息をついたその表情はやはり黒い……。
「水瀬こそどうしたの? 具合悪い?」
「私は……考えごとしてたら頭が痛くなっちゃって」
……白坂くんが危ないって聞いたからですよ、とは言えない。
「じゃあ俺と同じ。大丈夫? 休む?」
私が答えるよりも早く、“黒坂”…ではなく、白坂くんに手を奪われた。
そして、さっきまで白坂くんが居たベットに座らせられる。
なぜ……?
「あ、私……違うベット使うから大丈夫!」
慌てて立ち上がろうとすると、白坂くんが私の前に膝をついて目線を合わせてくる。
しかもしっかり私を囲うように手をついた。
というより、白坂くんに閉じ込められた。
「逃がさないよ?」
白坂くんの不敵な笑みに私は異を唱えることも出来ずに固まった。
な、なにこの状況は……?
なかなかヤバいんじゃない?