【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
どうしよう、なんか言わなきゃ……。
今の台詞は聞こえなかった振りをして、平然を装うことにした。
「き、昨日は、ありがとう……! 恥ずかしいとこ見られちゃったね」
白坂くんから圧のようなものを感じて、緊張した私は慌てて口を開いた。
「どういたしまして」
白坂くんが私を見つめたまま、ニコリと微かに口角を上げた。
その瞳の奥がどこか妖しく光る。
まさか、あの夜のことを切り出される……?
「考えごとはもういいの?」
「え……と。うん! 白坂くんの考えごとに比べたら私のなんて、全然だよ! 涼太にぎゃふんって言わせるくらい女子力アップしよう!とかだし……」
「へぇ。涼太くんのこと、ね?」
「うん……!」
今の言い方はなんだか含みがあった気がする。