【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「あれ本気だよ?」
「……ま、まさかっ」
「本当」
ひとつ声のトーンが下がって深みを増す。
「だって……し、白坂くん……好きな子いるって……言ってたじゃん……」
「その好きな子が自分だって発想は水瀬にはないわけ?」
「わ、私……? あるわけないでしょ……っ、主役級の白坂くんが、だよ!?」
脇役を好きなんて、そんなの現実にあるはずないじゃん!
「俺、ずっと前から水瀬しか見てないよ? 水瀬のことなら、よく知ってる」
「知ってる……?」
白坂くんが私のことを?
それはクラスメイトとしてって意味じゃないの?
「子供の頃からずっと涼太くんの後ろくっついてばっかりで、小学生の頃は不審者に追いかけられたこともある。それに、去年の夏は相当怖い思いしたね?」
「……っ、」
白坂くんはクスッと挑戦的に笑った。