【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
……私は息をのんだ。
だって、全部当たってる。
小学生の頃は不審者に追われたことがあるし、それに去年の夏の夜……私は死ぬほど怖い思いをした。
でもその出来事を知っているのはただひとり、涼太だけのはずだ。
「なんで……知ってるの?」
「なんでだと思う?」
白坂くんは探るように私の瞳を覗き込む。
「……っ、や、やっぱり、白坂くんは私のこと見張ってるの?」
「どうかな?」
得意気に答える白坂くんに私は意を決して訴える。
「あ、あのことなら私……誰にも話してないよ!?」
「へぇ。いい子だね、水瀬は」
あのこと……と言っただけで通用するのは、白坂くんもはっきりと覚えているからだろう。
「だ、だから私の弱味を握るために身辺調査してるなら……時間の無駄だから、やめることをオススメします! ビックリするほどなーんにもないから!」