【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「喧嘩、とか……?」
「今はもうしてないよ? それに喧嘩は時と場合によるけど」
…………い、今は!?
しかも、時と場合って何!?
あの夜は確かに、白坂くんが圧倒的に不利だったと思うけど。
それでも危ないことに変わりない。
私が狼狽えていると、それを察したように白坂くんが口を開いた。
「追われることはあるかもしれないけど、水瀬のことは絶対俺が守るから」
───守る。
この言葉に隠された本当の意味を、この時の私はなにひとつわかっていなかった。
真剣味を帯びた声が私の気持ちを惑わせる。