【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
ぐっと距離を縮めた白坂くんの妖しげな瞳に、心臓が激しく脈打った。
「白坂、く……、」
「例えば、こういう場所で男とふたりきりになるのは危ない、とかね?」
あっ……と思ったけれど、私の肩に触れる白坂くんの手の方がずっと早かった。
───ドサッ
その音とほぼ同時、視界が反転して、ベットに背中から倒されていた。
脇役の私にこんなシチュエーションが早速起きるのか?と、しばし唖然とする。
「いいの? 抵抗しなくて」
まるで、何もかも見透かしたように私を上から見下ろしている。
……憎たらしいくらい綺麗な顔で。
「……なっ、何すんの!? いきなりこんなことするなんて……白坂くんやっぱり危ない人だよ! 懲役50年だよ!」
「お前が望むなら何年でも受けてやるよ」
目を細くして大胆な台詞を吐くと、薄く笑った。
それはまさに、“ 黒 坂 ” 降 臨 ……。
澪ちゃん、やっぱりこの人黒いよ!
そっぽを向いた私の顔に触れて、半ば強引に自分の方へと向ける。