【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「なに、水瀬」
「ううん。ごめんね笑っちゃって……白坂くんって、こんな風に笑うことがあるんだなって思ったら、なんか可愛くて……」
昨日は“黒坂”くんだったのに、意外な一面が見えたから。
美味しい物を食べてる時は、みんな同じなんだな。
危ない噂も、そんなに怖いものじゃないのかも?
「……白坂くん?」
なぜだか、白坂くんがしばし固まっている。
「……お前の顔なんて見るんじゃなかった」
えっ?
眉根を寄せる白坂くんの頬が、ほんの少しだけ赤くなっている。
「……問題あんの俺の方だろ。出直す」
はぁっと溜め息をもらして立ち去ろうとする。
「な、なによ……っ、おかず泥棒!」
「すぐにでも倍で返してやるよ」
ヒィッ……。
文句を浴びせた私に振り向くと、白坂くんが目を細めて意地悪く笑った。
あの、黒い……ですよ?
私、ちょっと可愛いって言っただけじゃん!
今までも、涼太にだって言ってきたのに。
そんな黒いオーラ出すことじゃないでしょ!