【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「涼太くんが、なに?」
涼太、を強調してる。
それにこうやってにこやかに笑ってるけど、絶対作り笑いだ……。
白くなったり黒くなったり、白坂くんこそあなどれないよ。
「今のは、子供の時の話で! あの……少し、だけならいい、です……」
手汗がヤバいことになるかもだけど……。
そっと自分の手を差し出して、大きい白坂くんの手に重ねようとしたのだけど。
「へっ!?」
さっ、と白坂くんが手をポケットに突っ込んだ。
あれ……?
「あの……私、少しなら繋ぐって……」
「少しでしょ? だったら繋がない」
「な、なんで!?」
自分から言ったくせに!
目をパチパチさせると、白坂くんが得意気な顔をしてみせる。
「あれ? 繋ぎたかった?」
「……なっ、なにそれ」
なんだか騙されたような気持ちになるのに、ドキマギして反論さえ思うように口に出来ない。