【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


守る……と言った白坂くんの言葉は、不思議と安心感を与えてくれる。



「でも……なんで戻ってきの?」


また明日、と別れてまだほんの少しだった。



「やっぱり全然足んなかった」


「えっ?」


「この前は水瀬の照れた顔見れて満足したとか言ったけど、そんなんじゃ足んない」


「足りない……?」


「お前にすぐ会いたくなる」


欲張り?なんて言いながら、白坂くんがイタズラっぽく笑った。


そんな白坂くんを見ていたら、不思議とさっきまでの恐怖心は和らいでいく。


いつもの白坂くんがここにいる。



「……白坂くんが、からかうから。だから、ひとりで帰ろうって思ったの」


「からかってないよ。構いたくさせる水瀬が悪い」


「な、なにそれ……っ」



白坂くんって、どうしてそういうことを直球で言うかな。


まともに顔が見れなくなるからやめてほしいよ。

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