【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
【悪名】その男、凶悪につき
朝からクラスのみんなが、これは何事かと騒がしくしていた。
なんでかというと、昨日の悲劇から一夜明けて朝、教室に着いた私を待ち受けていたのは……
「水瀬、いいところに来たな」
「ヒィッ……た、鷹村くん……」
ビックリした……。
いきなり鷹村くんがいるんだから。
それはみんなが「何事?」「抗争?」「園田さんを人質にするの?」とヒソヒソ話しながら怖がっていても仕方ない。
鷹村くんはただでさえ怖い男子と印象付けられているわけで、ごく一部の人は彼の当時の噂も耳にしたことがあるらしい。
もちろん私も、昨日の只者ではない鷹村くんの残像が、今もしっかり残ってる。
それに話したことはないし、挨拶した回数は数える程度。
「ど、どうしたの……?」
自分の席に座る澪ちゃん。
その前に立った鷹村くんはみんなの予想に反して、藍色の髪をポリポリかいて何やら困り顔。