【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


澪ちゃんはムッと唇を尖らせている。


……ホントに何事ですか?



「小夏も聞いたでしょ!? 昨日のこと!」

「……えと、昨日ってのは」


当然、放課後の出来事のことだろう。



「だから、惨劇を呼ぶ夜鷹とかってのが、鷹村だったってことよ!」



ああ……やっぱりそうなんだ。


昨日の会話から察するに、もしかしたらそれは鷹村くんのことを指してるんじゃないかと思ったけど、あの状況じゃ考える余裕なんてなかった。



「そりゃ昔の通り名だ」


「……そんな昔のことじゃないでしょう!?」


「去年までの話だと言ってるだろう? 伏せてたことは悪かったが、そろそろ機嫌直してくれないか?」



澪ちゃんは、鷹村ベーカリーと書かれた袋からカレーパンを取り出してかぶりついた。


朝からカレーパンとは、澪ちゃんもなかなかワイルドだな……。



「この通り、ヘソ曲げられてご機嫌ななめってわけだ。参ったよ」



苦い笑みを見せる惨劇を呼ぶ夜鷹様は、どうやら澪ちゃんに参らされているらしい……。

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