【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


「あの日、俺が惚れたのは──」


「わっ、わたし……! 飲み物買いに自販機行ってくるから!」



遮るように大きな声を出すと、澪ちゃんは勢いよく立ち上がった。


そして、逃げるように教室を飛び出した澪ちゃんの顔は焼けたように真っ赤っかだ。


男子に興味のない澪ちゃんが……。


これは後日、いや……来月の宿泊学習の時にでも、女子会をして報告してもらわないと。



「水瀬」

「は、はい……」


ていうか、惨劇の夜鷹様とふたりにしないでよ、澪ちゃん……!!



「あのあと追っ手は来なかったか?」


「へっ? だ、大丈夫……それに白坂くんが家まで送ってくれて……」



やばい……。

暑さとは違う変な汗でもかきそう。


鷹村くんの貫禄みたいなものが同級生とは思えないくらい半端ないもん。


この高校のOBの方ですよ!って紹介されても頷けてしまう。

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