【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「それならいいが。昨日の奴らは恐らく、ただの捨て駒だからな。裏で画(え)を書いてる奴はまた別だ」
「………捨て、駒? 画を書く?」
へ? 不良がお絵描きしてるの………?
そんなわけないでしょ?
と、私が理解に苦しんでいると、
「わりぃ。たまに癖で出ちまうんだ。許せ」
……と、苦く笑った。
本当に私と同じ高校生ですよね?と、確認したい衝動に駆られるがとてもそんな勇気はない。
「凪の追っ手は北区の暴走族チームだ。鬼神(きしん)と呼ばれてるところだ」
聞き覚えがあるような、ないよう……。
「そこは北区じゃトップの族だ。周りからは切望の眼差しを注がれているが……目的のためなら手段を選ばない残忍な奴らだよ」
トップの暴走族チーム……。
一番強くてヤバいってことは、私にだってわかる。