【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「剣崎は、まず表には出てこない。昨日のように下っ端を使いに送り込んで様子をうかがう。頃合いを見て自分が動く。剣崎の常套(じょうとう)手段だ」
剣崎が送り込んだ刺客ってことはわかったけど。
こんな危ない方々の話を脇役の私が聞いちゃって大丈夫なの……?
「どうした水瀬、顔色が良くないぞ」
「だ、だって……鷹村くん……っ、私の頭の中に出てきたのは、お父さんがたまに見てるヤクザ映画に出てくるような男の人だったんだけど………」
すると、鷹村くんが軽く吹き出した。
「水瀬の親父さんが観てた映画か。期待を裏切るが、剣崎は俺らの二つ上。そこまで古臭い顔はしてねぇよ」
「えっ、じゃあ高3………?」
その剣崎って男がどんな人か知らないけど、同じ高校生が人を顎で使って白坂くんを探しにくるなんて……。
末恐ろしい。