【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「てっきり凪も奴らの仲間かと思ったが、よその連中に追われて逃げてきたらしい。事情を聞いたら不運でしかなくて。それを境に、俺が凪を逃がしてやることが増えたんだ」
……で、ふたりの間に友情が芽生えるってどんな関係よ!?
ダメだ……。
私とは生きてきた世界が違いすぎる。
特に鷹村くんの過去については危ない人ってことは把握したし、深くは突っ込まないでおこう。
「凪は心底不運な奴だよ。アイツの片割れのせいで散々喧嘩吹っかけられるわ、倉庫に拉致されるわ、誤解されるわなんだって。過酷な目に晒されてきた」
「……そんな。なのに、その片割れの人は今どうしてるの? 白坂くんが自分のせいで追われてるのに……」
「その片割れに、凪は歯が立たねぇからな」
「えっ……白坂くんより、強いってこと?」
「昔から格別にな」
鷹村くんが困ったみたいに笑った。
一体どんな人なんだろう……。
てか、それって最早最強なんじゃないかな。