見えない私と見える彼
お母さんもお父さんも見えるのに、私にはどうして見えないんだろう。


みんな私の家族なのに、私だけよそ者みたい。


ーーーーーーーーー

「隣の県から引っ越してきました。一松琴子です!よろしくお願いします。」


私、一松琴子は2年生からこの坂上高校に転校することになった。


でも私はただの転校生ではない…!


私は1000年以上歴史をもつ、陰陽師の名家、一松家の一人娘である!


そして、私は一松家を継ぐものとしての重要な任務の為、この学校に転校したのだ!


「一松さん!私、小野夏樹!これからよろしくね!」


おぉ…隣の席の可愛い子が話しかけてくれた…!嬉しい…!


「話しかけてくれてありがとう!これから生活に慣れるまで迷惑かけるかもしてないけど、よろしくおねがいします!」


「任せて!あ、そうだ!よかったら、学校案内するよ!」


なんて優しい子なの…?後光が差して見える…


あと、学校案内ついでに夏樹ちゃんに隣の旧校舎についても聞いてみよう…


私の任務、それは坂上高校の今はもう使われていない旧校舎に棲み着いている幽霊達の退治なのである!  


話によればその幽霊はとんでもない数だとか…


う〜ん、心なしか不吉な気配を感じるような…気のせいのような…


「夏樹ちゃん!この学校の旧校舎ってどこにあるの?」


すると夏樹ちゃんの顔色が急に暗くなった


「そ、そんなに危険なところなの…?」


「琴子ちゃんも感じるんだね…なんか…視線っていうか…誰かからずーっと見られてる感じ…」


えっっっっ今のところ…何も感じないけどな…


「数ヶ月ぐらい前からかな…クラスのみんなもなんか旧校舎から視線を感じるって言ってて…」


えっっっっまじか…私全く感じないけどな…
 

「実は…この学校に入った時からなんか変な感じしてたんだよね…」


なんかとっさに嘘ついちゃった…


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